- (1)湿疹皮ふ炎群の病気詳しく見る
皮ふ科の患者さんの約6割から7割の方が湿疹皮ふ炎の病気で占められます。
アトピー性皮ふ炎、乳児湿疹、小児湿疹、手湿疹、汗による湿疹(あせも)、異汗性湿疹(手足の汗による湿疹)、乾燥皮ふ(ドライスキン)、乾燥による皮脂欠乏性湿疹、おむつ皮ふ炎、脂漏性皮ふ炎、ひげそり負け(カミソリ負け)、接触皮ふ炎(いろんなものによるかぶれ)、日光皮ふ炎(日焼け)、光線過敏症。
- (2)感染性の病気詳しく見る
子どもさんに多いです。
伝染性膿痂疹(とびひ)、溶連菌感染症(以前は猩紅熱と言っていました)などの細菌性の病気。白癬(水虫)、体部白癬(たむし)、爪水虫、カンジダ症、黒なまず(癜風)などの真菌性の病気。疥癬、あたまじらみなどの寄生虫による病気。手足口病、水ぼうそう(水痘)、伝染性軟属腫(水イボ)、ウィルス性いぼ、伝染性紅斑(リンゴ病)、風疹(三日ばしか)、突発性発疹、単純疱疹(単純ヘルペス)、帯状疱疹(帯状ヘルペス)などのウィルス性の病気。
- (3)毛あなの病気詳しく見る
毛包炎(毛あなに一致する化膿、ぷつぷつ)、尋常性ざ瘡(ニキビ)、マラセチア毛包炎、尋常性毛瘡(ひげそり負け)など。
- (4)虫さされ詳しく見る
毛虫(どくが)皮ふ炎、ムカデ咬傷、ハチ刺傷(スズメバチ、ミツバチ、アシナガバチ)、蚊刺傷。マダニ咬傷など。
- (5)アレルギーの病気詳しく見る
アトピー性皮ふ炎、じんましん、薬物によるアレルギー(薬疹)、食物によるアレルギー(タマゴ、ミルク、大豆、小麦、そば、ピーナッツ、ゴマ、サバ、エビ、カニ、サケ、ほうれんそうなど)、動物の毛によるアレルギー:ネコ、イヌ、ニワトリ、ウサギ、ハムスターなど)、アレルギー性鼻炎(花粉症)。
- (6)じんましん詳しく見る
いろいろな種類のじんましんがあります。
機械的じんましん:圧迫したり、こすったりしたときに出現する。温熱じんましん:熱いふろに入った 時に出現する。コリン性じんましん:運動などで汗をかいた時に出現する。
食物アレルギーによって出現するじんましん。
薬物アレルギーによって内服や注射により出現するじんましん。虫さされによって出現するじんましん。全てのじんましんにおいて関与するじんましんを引き起こす細胞は肥満細胞と呼ばれる細胞です。じんましんの治療は
この肥満細胞を安定させる内服薬、重症の時はステロイド点滴注射も使用します。コントロールが難しい場合は生物学的製剤であるオマリズマブを使用します。
- (7)特殊なじんましん(1)詳しく見る
口腔アレルギー症候群(Oral Allergy Syndrome :OAS)新鮮な果実や野菜の摂取後に口びるがはれたり、口腔内の違和感、のどの奥のもぞもぞ感や息苦しさなどの症状がおこります。リンゴ、メロン,モモ、キウイ、バナナ、スイカ、イチゴ、トマトなどが原因食物として多いようです。このような症状を起こす方は、多くの場合はスギ、ヒノキ、カモガヤ、オオアワガエリ、ブタクサ、ヨモギ、シラカンバなどの花粉症を同時に持っていることがわかっています。正しい診断と治療が必要です。
- (8)特殊なじんましん(2)詳しく見る
食物依存性運動誘発性アナフィラキシー(Food-dependent Exercise-induced Anaphylaxis :FDEIA) 特に中学生や高校生などの若年者に起こるじんましんの特殊型です。小麦(パンやうどんなど)や甲殻類(エビ、カニなど)、イカなどを摂取した後に運動の負荷があった時に急激なじんましんをを起こしたり、重症の時はアナフィラキシーを起こすこともあり注意が必要です。正しい診断と治療が必要です。
- (9)特殊なじんましん(3)詳しく見る
蜂アレルギー アシナガバチ、ミツバチ、スズメバチに刺された後、全身にかゆみやじんましんを生じ、重症の時はアナフィラキシーを起こすことがあります。初めて刺されたときは起こりませんが繰り返し刺されていくうちにアレルギーを獲得することになります。これらのハチにアレルギーがあるのか、アナフィラキシーを起こすほど重症なのかは、これまでの経過をお聞きしたり、ハチに対するIgE抗体価を測定することにより推定することが可能です。
- (10)エピペンについて詳しく見る
上記のじんましんや特殊なじんましんで生じるじんましんで重症なアナフィラキシーを起こすことが十分に考えられる患者さんには、エピペンという携帯用のエピネフリン注射液を保持していただくことも指導しています。特に学校給食で食物制限をしている方、林業に従事している方、山林で電気配線関係の仕事をする方で、ハチアレルギーを持っている方は注意が必要です。
- (11)原因不明のむずかしい病気詳しく見る
(1)掌蹠膿疱症:手のひらや足の底に黄色い膿疱が出現する。
(2)尋常性乾癬:頭、体、四肢に鱗の様な固い鱗屑が付着する。
(3)アトピー性皮ふ炎:最近は成人型の方が多いようです。上記1,2,3が三大難治皮膚疾患と言われています。
(4)尋常性白斑(白なまず)
(5)結節性紅斑(主に膝から下、肘から下の皮膚の深部に赤いしこりが出現する)
- (12)小麦粉によるアレルギー詳しく見る
(1)小麦粉が入った石鹸で頻回に洗顔を続けるうちに、全身性の小麦アレルギーになってしまい、小麦摂取によりじんましんやアナフィラキシーを起こします。石鹸に泡立ちをよくする目的での小麦配合が禁止されました。
(2)上記のことから食物が皮膚を通じて感作(かんさ、アレルギーになること))されることが証明され、今後各種の食物でも皮膚感作が実証される可能性があります。
- (13)皮膚腫瘍切除術詳しく見る
良性腫瘍、悪性腫瘍ともに当院で切除術可能なものは摘除して、病理診断(顕微鏡的診断)を行い説明します。
当院で対処出来ないと考える腫瘍は長崎医療センター皮膚科の専門医にご紹介します。
- (14)紫外線防御剤(サンスクリーン剤)詳しく見る
紫外線が気になる季節になりました。サンスクリーン剤を上手に選びましょう。まずSPFの値、PAの値に注目しましょう。
SPFの値は中波長紫外線(UVB)をブロックする力でSPF30~50位が最適です。PAの値は長波長紫外線(UVA)をブロックする力で最近はほとんどPA++++となっています。また紫外線吸収剤を含むものは肌が弱い人には合わないことが多いので、酸化亜鉛や酸化チタンなどの紫外線散乱剤を含むもの(ノンケミカルタイプ)がおすすめです。また日本の化粧品会社の製品をおすすめします。それは日本人の肌を研究して作られているからです。詳しく知りたい方は当院にご相談下さい。
- (15)大豆、豆乳、もやしによるアレルギー詳しく見る
大豆は子供のアレルギー食品として重要です。大豆に対する抗体価の測定や豆腐、納豆、豆乳、大豆などの摂取歴により診断可能です。
シラカバやハンノキの花粉症があり、豆乳やもやしを摂取した時に口やのどのイガイガ感や重症の時はアナフィラキシーショックを起こすこともまれにあります。大豆の抗体価では陰性のことがあり、Gly m4抗体価を測定すると陽性を示します。項目7の特殊なじんましん(1)を参照下さい。豆乳やもやしを食べて口に違和感がある方はご相談下さい。
- (16)花粉症、アレルギー性鼻炎について。詳しく見る
原因物質を確定するためにアレルギーの有無の血液検査をします。自分が何に対するアレルギーを有しているのか知って対策をすることが大切と思います。各種樹木、春、夏、秋の植物の血液検査をします。その季節特有のアレルギーが見つかるのが季節性花粉症、一年中(通年性といいます)生じる場合は、ダニによるアレルギー反応が検出されることが多いようです。それぞれに応じた最適の治療をアドバイス、治療を行います。眼の症状、鼻の症状に応じて抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤、また症状が強い時は一時的にステロイド内服を処方することもあります。また点眼薬、点鼻薬を上手に処方します。アレルギー反応が判明しない時はPM2.5や黄砂によるものも考える必要があります。結膜炎や鼻炎に悩んでいる方はご相談下さい。
- (17)通称水虫について。足白癬、爪白癬など。爪専用の最新薬の爪外用液について。詳しく見る
水虫のことを正式には足白癬、手や足の爪の白癬を爪白癬といいます。
手は手白癬、顔は顔白癬、頭は頭部白癬、体は体部白癬、太ももは股部白癬といいます。病名が難しいので以前から俗称がつけられているのです。頭部白癬はしらくも、体部白癬はぜにたむし、太ももはいんきんたむしです。
皮膚の白癬は診断をしっかりつけて外用剤を続ければ完治します。爪白癬や頭部白癬や診療項目12の頭部のトリコフィトンなどの治療には抗真菌内服薬が必ず必要です。
爪白癬を完治させるには内服薬が必要ですが、都合により内服が出来ないこともあります。爪白癬専用の外用薬もあります。内服薬に比べると効果はおとりますが、軽い症状の爪白癬は完治する可能性があります。クレナフィン爪外用液、ルコナック爪外用液です。皮膚科専門医の診断と処方が必要です。ご希望の方はご相談下さい。
- (18)診療項目3の毛穴の病気の中の尋常性ざ瘡(ニキビ)について。詳しく見る
皆さん!ニキビのことで悩んでいませんか?
最近はニキビに対する考え方や治療法がかなり変わってきています。これまではビタミン剤、漢方剤、ケミカルピーリングなどが重要視されてきました。
日本皮膚科学会が推奨している現在のニキビ治療アルゴリズム(治療計画)は外用剤、抗生物質内服、ニキビ治療に対する注意事項アドバイスなどです。外用剤は大きく分けて2種類あります。ひとつは抗生物質外用剤(保険適用5種類)と、もうひとつはピーリング作用のある外用剤(保険適用4種類)が処方可能です。軽い方はこれで治療しますが、重症な時や、少しでも早く落ち着けたいという時には希望により、ニキビに効果のある抗生物質内服薬を処方することもあります。ニキビは気にしなければ病気ではありません。気にするようでしたら病気です。ご心配な方はご相談ください。
- (19)尋常性疣贅(イボ)、脂漏性角化症(老人性イボ)、アクロコルドン(軟性繊維種)詳しく見る
尋常性疣贅についてはトピック3をご覧ください。脂漏性角化症は顔、頭、胸背部にできることが多く、1cm大とかなり大きくなることもあります。しかし皮膚の表面で成長するので超音波で浅く広く焼くときれいに取れることが多いです。アクロコルドンは首の周囲に出来て花イボともいわれます。大きさは1~2mm大と小さいですが多数出来るので悩まれる方も多いようです。これも液体窒素でなかなか取れず、超音波で焼くときれいに取れることが多いです。悩んでおられる方は一度ご相談下さい。